美白も保湿も!欲張りマルチ効果「プラセンタ」

アシカやアザラシ、クジラ、ラクダ、そしてヒトを除いたほとんどの哺乳類が出産後胎盤を食べます。敵に狙われないよう出産の形跡を消すために食べるとも、栄養が詰まった胎盤で出産の消耗を補填するために食べるとも言われています。
胎盤は子宮の中の赤ちゃんとへその緒でつながっていて酸素や栄養を送るほか、ホルモンや各種成長因子を赤ちゃんに供給するという重要な役割も果たしています。
「胎盤」と聞くと生々しい臓器のイメージを持ってしまいがちですが、これを「プラセンタ」と呼べばあら不思議、美容の特効成分のように感じられませんか。ネーミングの妙に感心してしまいます。

美白も保湿も

プラセンタには美白効果があります。メラニン色素を作る「チロシナーゼ」酵素の活性を阻害することで、シミを防ぎます。加えて肌のターンオーバーを促進する働きもあるので、メラニンの排出も促進します。つまり、メラニンの生成抑制と排出促進というダブル作用で、将来のシミだけでなく今あるシミにも効果が期待できるのです。
保湿力を高める効果もあります。プラセンタにはアミノ酸や成長因子が含まれており、細胞の再生や修復を促進するのでエラスチンやコラーゲンの量が増え、保湿に繋がるわけですね。
そのほかにも抗炎症作用や抗酸化作用、血行促進作用もあり、美肌効果は幾重にも重なります。アンチエイジングケアにもおすすめです。

動物性・植物性・海洋性

医療用としてはヒト由来のプラセンタ製剤が使われていますが、スキンケア化粧品に関しては動物由来のプラセンタが多く使われています。豚や馬由来のものが一般的で、ヨーロッパでは羊由来のものも人気があるのだとか。
魚には胎盤はありませんが、魚卵を包む「卵巣膜」から作られたものを海洋性プラセンタと呼びます。成長因子は含まれていませんが、アミノ酸、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの栄養成分を含みます。
同じく植物にも胎盤はありませんが、「胎座」という発芽が起きる部分から作られたものを植物性プラセンタと呼びます。海洋性プラセンタと同じく成長因子は含まれていませんが、アミノ酸やビタミン、ミネラルが含まれています。メロン胎座がよく使われているようです。動物保護の観点やヴィーガン向けに今後の伸びが期待されます。

プラセンタはアレルギーの起こりにくい成分とされていますが、体質や体調によっては肌に合わない可能性もありますので注意してください。どの化粧品を使用する際にも言えることですが、今日何事もなく使用できたとしても、将来にわたって何事も起こらないとは限りません。毎日のお肌の状態を確かめながら丁寧に心を込めて肌を癒すスキンケアを心掛けてくださいね。

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