旅行や転居で肌荒れ?その思いがけない理由とは

旅って素敵ですよね。リフレッシュできたりリラックスできたり、好奇心が刺激されたり。いつもと違う非日常を楽しむのが好きというかたも多そうです。
旅行先で宿泊し、いつも通りのスキンケア・ヘアケアをしているつもりなのに、いつもより肌や髪の調子が悪いと感じることはありませんか。旅行に限らず、出張や転居などでも肌や髪に違和感を持った経験はありませんか。
「いつもと違う」「今までと違う」というストレスから起こりうるとも考えられますが、実はそれ以外にも大きな原因となるものがあります。
「水」です。

水道水の残留塩素

普段何気なく使っている水道水。世界的に見れば、蛇口をひねって飲める水が出てくるのは大変恵まれた稀な状況です。
そんなありがたい水道水ですが、衛生的に各家庭まで届くように塩素が加えられています。
水道法では蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上に保持することが定められています。
ここで注意したいのは、これは最低限必要とされる濃度なのであって、上限が決められていない点です。浄水場から一番遠い家の蛇口でこの基準を満たさなければならないわけですから、当然浄水場に近い家ではもっと高い濃度で塩素が残留しています。
参考までに、東京都では0.1~0.4mg/Lの残留塩素濃度を目指しているそうです。目標上限が0.4mg/Lとなっているのは、水道水の美味しさを目指すためとのこと。
使用する水源の違いから地域差も大きく、高い地域では1.0mg/Lを超えるところもあるのだとか。旅先で入ったレストランで飲む水の味が自宅で飲むものと違うのにはこういった理由もあるわけですね。
さらに豆知識を一つ。塩素と言えばプールを思い出すかたも多そうですが、遊泳用プールの衛生基準として定められている残留塩素濃度は0.4~1.0mg/L。
驚くべきことに、残留塩素濃度だけを考えると水道水とプールの水は大まかに同程度ということができるのです。水道水はプールほど塩素くさくない!と思われるかもしれませんが、実はプール独特のにおいの原因は残留塩素ではありません。あの匂いの正体は、塩素と人の汗などが反応してできた「クロラミン」という物質なのだそうですよ。

残留塩素の悪影響

衛生的な水のためには欠かせない塩素ですが、残留塩素は確実に肌や髪に悪影響を及ぼします。というのも、肌や髪はたんぱく質でできているので、塩素で分解されてしまうわけです。
見た目に皮膚が溶けていくといったホラーさはありませんが、細胞レベルでは確実に悪影響を受けます。その結果、肌がガサガサになったり、髪がきしんだりするのです。
もちろん個人差がありますので、その違和感を敏感に感じ取る人もいれば、あまり気にならない人もいるでしょう。
ただ、あまり気にならない人でも自宅のシャワーヘッドを塩素除去タイプに変えたり、お湯を張った際に入浴剤を使って塩素を中和してみたりすれば、「湯あたりが柔らかい」「いつもよりも髪がなめらか」と感じられる可能性もあります。
好きな香りの入浴剤を使って心身ともにリラックスするのに加えて残留塩素の影響までなくなるとすれば、こんないい話はありませんね。さっそく今日のお風呂には入浴剤を入れてみませんか。