どこからどこまでが化粧品?
化粧品と聞いたとき、どんなものを想像しますか。
スキンケア、メイクアップがまず浮かびますね。しかしそれだけにとどまらないのです。
実は奥深い化粧品の範囲についてご紹介します。
あれもこれも化粧品
化粧品はその名の通り化粧に関するものはもちろんのこと、非常に広い範囲のものを指す言葉です。日本では「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:医薬品医療機器等法)第2条第3項で次のように定義されています。「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものを言う。イメージできたでしょうか。法律の文章を考える人は「化粧品」を表現するのにどう説明すればよいか考えに考え抜いてこの表現を採用したのだと思うと不思議な気持ちにもなりますね。
これらの定義には、具体的には基礎化粧品、メイクアップ化粧品、香水、歯磨き、シャンプー・コンディショナー・トリートメント、石鹸・ボディソープ、入浴剤、マニキュアなど幅広いものが含まれます。実はシャンプーや入浴剤も「化粧品」なんですよ。
「雑貨」表示に注意
およその定義が分かったところで、一つ注意していただきたいことがあります。
石鹸や入浴剤では化粧品ではなく「雑貨」という区分で販売されているものがあります。
石鹸では、化粧品の石鹸は顔や体に使用できますが、雑貨の石鹸は台所用や洗濯用などの顔や体に使わない用途としての販売になります。オークションサイトなどで「雑貨」として手作り石鹸が販売されているのを見たことがある人もいるかもしれませんね。
もちろん雑貨の用途で使用するつもりであればよいのですが、そうではなくお互いに「雑貨」として納得してやり取りすることで、顔や体に使用した場合の責任は購入者の自己責任になるという相互の了解がとれているというスタンスを感じることもあります。しかしそういったものをいくら自己責任とはいっても化粧品の用途で使用するのはおすすめできません。
化粧品を販売するためには「化粧品製造販売業許可」という許可を得る必要があり、品質管理や安全管理、設備などについて国の基準をクリアしなければならないのです。逆に言えば、化粧品として販売されているものはこのような基準をクリアしていますので、安心して体に使用できるわけですね。もちろん成分によって合う合わないはありますので、化粧品でもものによってはかぶれたり炎症を起こしたりしてしまうこともあります。しかしこれはあくまでも個人差の範囲内であり、必要な安全性はクリアされているのです。
入浴剤については、化粧品の入浴剤は皮膚に潤いを与えたり皮膚を保護したりするためのものですが、雑貨の入浴剤は色や香りを楽しむものということになります。
化粧品か雑貨かで出来る表現は全く異なります。石鹸や入浴剤を購入するときにはパッケージの表現と裏書をじっくり見てみると面白いかもしれませんね。