知っておきたいマーケティングのヒント②ペルソナ設定

マーケティングのヒントと題して①では選択的注意をご紹介しました。
今回はターゲットにより広告を届きやすくするために効果的な「ペルソナ設定」をご紹介します。

データをもとにした架空顧客

ペルソナ(persona)はもともと「仮面」を意味するラテン語です。綴りを見てわかるように、英語の「人間・人格(person)」の語源となった言葉ですね。
ここから転じて、現在ではマーケティング用語として使われることが多くなりました。
このマーケティング用語としての「ペルソナ」は、自分のビジネスのターゲットとなるある架空の顧客について、その人物像を詳細に設定することを言います。このペルソナに対して販売戦略を練ることで、マーケティングの効果が大きく発揮されるのです。
架空の顧客と言っても、単に自分に都合のいい顧客を妄想するのではありません。アンケートやインタビュー、SNSでの検索などを通して、ターゲットにしたい層についての情報を収集し、それをもとに肉付けしていきます。
設定はできるだけ詳細に行います。年齢、性別、居住地から学歴、職歴、年収などを基本とし、さらに人間関係、金銭感覚、一日の過ごし方までぐっと深く想像してください。あなたがサロン経営者であれば、サロンを舞台にして美しくなっていく小説の主人公をキャラクターデザインするような気持ちで取り組むと良いでしょう。ただし、自分に都合のいい設定ばかりを盛り込むのではなく、できるだけ集めたデータや実際の顧客像をベースに客観的に設定します。
設定は箇条書きにしていくのが分かりやすいですが、小説のようにストーリー仕立てにしてエピソードを盛り込むのも効果的です。
ペルソナを設定すれば、そこに届くマーケティングを具体的に考えることができます。
例えば現在ではマーケティングと言えばまずSNSの活用が第一と言われる傾向がありますが、比較的高齢のペルソナであればSNSよりも紙媒体の広告のほうが効果がありそうだな、店頭にポスターを貼るのも良いかもしれないな、と考えられます。
逆に言えば、ペルソナを設定するには、自らのビジネスを誰相手に行うか、どういった層を顧客として考えているかを徹底的に明らかにする必要があります。サロンを開けばきれいになりたい人が花に吸い寄せられる蝶のように自然と寄ってくるのではないのです。花は惹きつけたい蝶に合わせて色や香り、蜜の味から開花時期までとことん調整していると考えれば分かりやすいでしょうか。

マーケティング論は奥が深く、もちろんこのコラムひとつで説明しきれるものではありません。これをきっかけにマーケティングについてもっと詳しく知ってみようという気持ちを持ってみてください。マーケティングを学ぶことは、技術を高めるのと同じようにサロン経営を支える大きな柱なのです。