爪の先の剥がれに要注意
指先についている小さな爪。実はこの爪があるおかげで物をつかんだり歩いたりできているということをご存じでしょうか。面積で言えばとても小さなものですが、指先に力を入れられるのは爪があってこそなのです。
そんな重要な役割を果たしている爪ですが、それほど頑丈ではなく傷んでしまうことも珍しくありません。
今回は手指の爪に起こりがちな二枚爪について、その原因や対処法をお伝えします。
乾燥と衝撃が二大原因
爪の先が薄く剥がれてしまう二枚爪は正式には「爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)」と呼ばれます。
爪は3層で構成されていますが、二枚爪はそのうちの一番上の層または2番目の層まで剥がれてしまった状態ですので、健康な爪に比べて非常に薄く弱くなってしまいます。シャンプーするとき層の隙間に髪の毛が引っ掛かったり、薄くなった爪の先がちょっとの力でひっくり返りそうになったりと、日常生活を送る上で大変不便、不快でありときには痛みを伴うこともあります。
二枚爪になってしまう原因は大きく二つ、乾燥と衝撃です。
爪が乾燥する原因は冬場の湿度の低さだけではありません。素手で洗剤を使ったり手洗いやアルコール消毒の回数が増えたりすることで爪の水分量が低下します。爪は乾燥すると柔軟性が失われて表面が剥がれやすくなってしまうのです。手荒れと言うと指先の皮膚の荒れをイメージしがちですが、実は爪も同時に荒れているわけですね。
マニキュアを落とす際の除光液の使用後も乾燥しやすいので、保湿ケアが重要となります。
もう一つの大きな原因は衝撃です。衝撃と聞くと大きな動きを想像するかもしれませんが、実はほんの小さな衝撃も爪には大敵です。シールをめくる、缶のプルタブを開ける、キーボードを爪で叩く、爪切りを使うといった日常生活の何気ない動作でも二枚爪の原因となり得るのです。特に爪切りで爪を大きく挟んで一気に切ろうとする場合、爪に非常に負担がかかります。やすりを使うか、爪切りを使う場合には入浴後など爪が柔らかくなった状態で1本の爪を端から4、5回に分けて細かく切ると負担を軽減するすることができます、
そのほかにもジェルネイルをオフする際に無理に力を入れると爪の表面ごと剥げてしまうこともあります。
ケアしながら爪が伸びるのを待つ
残念ながら剥がれた層を爪にくっつけて治すことはできません。爪は髪の毛と同じケラチンで出来ています。枝毛をもとに戻せないのと同じように、二枚爪も元に戻すことはできないのです。
二枚爪になってしまったら、薄くなってしまった爪の先をやすりで優しく削ってできるだけ短くしましょう。爪切りではなくやすりを使うのがポイントです。
少しでも伸びてきたらやすりでこまめに削ります。これを繰り返し、爪の薄い部分を削り切ったら3層揃った健康な爪が先端になります。爪が伸びるスピードはおよそ10日で1ミリ。なかなかもどかしいですが、地道に待つしかありません。
爪のケアは爪切りの使い方が適切であれば、あとはとにかく保湿が基本です。水仕事には手袋をしたり、手洗い後にはハンドクリームを塗ったりするよう心掛けてくださいね。
清潔で健康的な爪は、小さいながら非常に魅力的な外見のポイントとなります。男女を問わず指先にまでケアが行き届いていると「ちゃんとしている」というイメージを与えることができるのです。
爪も大きく肌の一部と捉え、「スキンケア」の延長線上でハンドケア、ネイルケアも習慣にしてしまいましょう。