運動は美を運んでくる③ホルモン
現代人は意識して体を動かさないと運動不足に陥りがちです。しかしここまで運動の素晴らしい効果の一端を紹介してきました。そろそろ運動していないもったいなさを感じ始めていますか。
今回は運動についての最終回、③ホルモン編です。
美と健康に欠かせない運動の効果について、ホルモンの観点から解説します。
運動で幸福感をコントロールする
セロトニンという言葉を聞いたことがありますか。セトロニンだっけ、セロトニンだっけ?とわからなくなってしまいがちなこのセロトニンは、俗に「幸せホルモン」と呼ばれています。脳内のセロトニン量が増えると気持ちが穏やかになり爽快な気分になることからの呼び名で、セロトニンの分泌を促すさまざまな方法も研究されてきています。
「気分」は心身の奥底から湧き上がってくるものだとばかり思っていたのですが、実はうまくやればコントロールできるのです。
その「うまくやる」鍵の一つが、運動です。
もう少し詳しく説明してみましょう。
ストレスがかかるとノルアドレナリンというホルモンの分泌量が増えます。ノルアドレナリンは適正量であれば集中や積極性を増しストレスに打ち勝つ原動力となりますが、不足すると無気力、過剰になると攻撃性やパニックに繋がります。
ストレスを乗り越えるとドーパミンというホルモンが増え、快感を覚えます。このドーパミンは不足すると無関心、過剰になると過食やアルコール依存を引き起こすと言われています。
このノルアドレナリンとドーパミンを統制し、気持ちを安定させるのがセロトニンです。セロトニンが不足すると感情にブレーキか効かず、平常心を保つのが難しくなるのです。
運動するとセロトニンが増えますので、感情に振り回されず気分が安定した状態を維持できます。一説には20分程度の運動でその後12時間もこの安定した気分を持続させる効果があるのだとか。
朝の運動が一日の生活の質を上げる効果があるのだとしたら、子供のころイヤイヤ通った夏休みのラジオ体操には大変重要な意味があったわけですね。
セロトニンは太陽の光を浴びることでも増やすことができます。「運動」と身構える必要はありません。普段着で近所を15分程度ぶらぶらと散歩するだけでも、セロトニンを増やす効果は期待できるのです。
近所の散歩で物足りなくなってから、速足のウォーキングやジョギング、筋トレなど次の一手を考えても遅くありません。
ここまで3回に分けて運動の素晴らしい効果についてお伝えしてきました。美容に関してはもちろんのこと、特にストレス耐性を増し心の安定につながるという点では生活の質を上げる効果があると言えそうです。
ムズムズと体を動かしたくなってきたでしょうか。始めるまでは億劫でも、身体が動き出せば心も追いついてきます。ぜひ最初の一歩を踏み出してみてくださいね。