更年期と上手に付き合うための心構え
最近元気に過ごしていますか。
コロナ禍となって一年あまり、何の不調もなく絶好調という人は少ないかもしれません。慢性的な心身の疲労感、病気というほどではない体調不良が日常になってしまっている人も多いでしょう。
その微妙な調子の悪さの原因の一つは、もしかして更年期症状かも。
え、まだそんな年齢じゃない、と感じたあなたも、もしかしたらプレ更年期かもしれないのです。
更年期は老年期への準備期間
女性の一生について生理を軸に考えると、初潮を迎える思春期、定期的な生理がある性成熟期、閉経を迎える更年期、生理がなくなった老年期に区切ることができます。
この中で一番個人差が大きく境界もあいまいなのが、更年期です。
「今日から更年期」とはっきりとわかればどれほどよいでしょう。しかし現実はそううまくはいきません。更年期の症状は多岐にわたり、また大変個人差も大きく、体験談を参考にするのが難しいという側面もあるからです。
一般的には、40代半ばから50代半ばまでの10年ほどを更年期と呼びます。性成熟期がおよそ40年続くと言われているので、初潮の年齢に40を足した年齢になったら「もしかして更年期?」という意識を持つと良さそうですね。
この更年期にはエストロゲン(女性ホルモンの一種)が急激に減少します。エストロゲンが高いレベルを保つ性成熟期と低いレベルを保つ老年期の間を急な勾配で繋いでいる更年期。そんなホルモンバランスの急な変化に身体は対応しきれずあちこちに不調がでる、それが更年期症状です。日常生活に支障が出るほど重い症状の場合は更年期障害と呼びます。
仕事も家族も大事だけど、まずは自分をいたわって
更年期は女性のライフステージで言うとちょうど充実の実りの時期に重なることが多いと言われています。仕事では責任あるポジションを任されたり、子育てを頑張っていたりというころですね。
自分のことよりも仕事や家族を第一に考えてしまいがちな更年期の女性。しかし一番に大事にしてほしいのは、ホルモンバランスの変化に翻弄されつつ毎日頑張っている自分の心と体です。
「誰かのために何かをしなければならない」というその責任感は立派です。でも、そろそろ自分ファーストで考えていいんですよ。「ねばならない」にがんじがらめにとらわれるよりも、「しよう」で毎日を活き活きと過ごしていいのです。
今の自分を受け入れることも大切です。
老いていくのは不安ですか。外見が変化するのは悪いことだと感じていますか。
年齢を感じさせない美しさはもちろん素敵ですが、年齢相応の外見でも素敵だと思わせてくれる女性もたくさんいます。将来自分はこんな風に年を重ねていきたい、と思えるロールモデルとなる女性を見つけられるといいですね。
将来の自分を楽しみにしつつ、今を精一杯楽しむ。受け入れて、いたわる。そんな心構えで更年期を過ごしてみてくださいね。
もちろんつらい症状があるときは、クリニックなどへの受診も有力な選択肢です。話をしっかりと聞いてもらうだけでも心身のストレスが軽減する効果があると言われていますので、遠慮せず相談してみてください。